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ちょっと未来の私を救う。自家製冷凍弁当のコツ

冷凍宅配弁当サービスが人気。

【2029年度の冷凍宅配弁当国内市場規模は540億円に拡大する見込み】※日本能率協会総合研究所MDB推計
https://mdb-biz.jmar.co.jp/20241122

コロナ禍でのライフスタイルの変化や健康志向などにマッチさせたサービス展開で、ここ数年右肩上がり。参入企業も増えて激戦の模様。でもこれ、自分でつくってもいい。


どーんと多めにおかずをつくって、冷凍かつレンジ加熱できる容器にご飯と一緒に詰めて冷凍するだけでいい。おかずをいちいち変えなくてもいい。同じセットをいくつかつくって、冷凍庫に入れておく。要は置き弁の冷凍版。塾前の子どもに「冷凍庫にあるやつ、レンジで5分半チンして食べて行ってー」というだけでいい。
あーもうなんにもしたくないけど、外食もウーバーもやだなー、そんなときに取り出して、レンジでチンすればいいだけのお弁当が冷凍庫にあるって、本当に心強い。冷凍弁当がある日常を書いたエッセイがこちら⇩

足を止めることなく、空腹のまま、何も買わなくても大丈夫、と私は自分に言い聞かせる。だって家には、冷凍置き弁があるんだと。冷凍弁当と私のこと

ものぐさ太郎の冷凍弁当(note.)

・容器は、冷凍かつフタをしてレンジ加熱OKのもの

おすすめは、浅型。その理由は

・積み重ねて冷凍保存できるので邪魔になりにくい
・レンジ加熱のときも加熱ムラができにくい

から。私は、ジップロックのフードコンテナー(700ml)サイズを気に入って使っている。(まとめて10個入りを買って使っているけど、こんなにいらない人もいると思う)

・乾物は基本なんでもおいしい

冷凍から再加熱すると、食感や味が変わることがあり。冷凍することで、食品が持っている水分が凍り、それが解凍で水が抜けてしまうとスポンジみたいになることを「すが入った」とよく言う。食感の悪さはこれだ。凍った水が溶け出すので、当然味も薄くなって味が変わる。
でも乾物は、もともと乾燥させて一度食品の水気を抜いているので、再加熱してもすが入らず、味や食感がたいして変わらない。
例えば切り干し大根やひじき、高野豆腐、大豆水煮、干し椎茸、干しキクラゲ、乾燥わかめなどは、味付けして煮たもの冷凍して再加熱しても、全然大丈夫。むしろちょっと味のしみこみが足りなかったかな、と思うものも冷凍している間にしっかり染み込んでくれる。ただし、煮汁はしっかり煮詰めたほうがいい。レンジ解凍から加熱する間に、必ず食品から水分が出るので、味が薄くならないようにしておくと、美味しく食べられる。

・ごはんやパスタ

お米もパスタも、もともと乾物なんですよね。
粗熱がとれたらフタをして、乾燥させすぎないようにすると、再加熱したときにふっくらと仕上がる。
焼きそばや焼きうどん、パスタ(マカロニなど含む)もOK。それぞれ具材と炒めて麺の表面に油分でコーティングすることで、冷凍乾燥を防いで、再加熱したときもほぐれやすくなる。

麺ぽいものでいうと、春雨もいい。あれももともと乾物。麻婆春雨なんかは、再加熱してもつるんと食感。

特にスパゲティグラタンおいしかった!ホワイトソースで麺がコーティングされているからパサつかない。一度に大きめの皿で焼いて、小分けにして冷凍へ。再加熱してもおいしい。

・煮込み、ソースやタレをからめた肉や魚、つなぎを入れたひき肉

煮込みハンバーグやクリーム煮、小麦粉で汁気をまとめた生姜焼きや細切り肉野菜炒め、柔らかく煮た豚角煮や牛すき煮、タレをからめたサバの味噌煮や鶏の照り焼き、蒸し鶏、つなぎを使ったつみれやシュウマイ。肉や魚は、ただ焼いてあるものだと再加熱のときにパサつくことがある。表面に汁気をまとっているものや、蒸し鶏のようにしっとり加熱されているもの、水分を逃さないようにつなぎを練り込んであるものは、パサつかなくておいしい。
ただし、ソースやタレは、しっかり煮詰めたほうがいい。レンジ解凍から加熱する間に、必ず食品から水分が出るので、味が薄くならないようにしておくと、美味しく食べられる。(2回目)

・茹で野菜、きのこ類、きんぴら、素焼き

ブロッコリーやいんげん、ほうれんそうなど、茹でた緑野菜はしっかり水気をしぼって入れればOK。冷凍する前にペーパーで包んでぎゅっとひとしぼり。もやしも同様。ナムルや胡麻和えにして入れてもおいしい。
和え物の味付けはそんなに気にしていない。家で食べるのだから、後からどうにでもなる。食べたときに味が薄ければ醤油やなんかをかければいい。

きのこ類も加熱してから入れる。(調理前に半日干して水分を抜いておくと、香りも食感もよくなっておいしくなる)加熱後しばらくおいておくと、きのこから水気がかなり出るので、かつおぶしやすりごまなどと和えるといいのは、冷凍に限らず、お弁当に入れるときのコツ。

にんじんやごぼう、れんこんなどの根菜、きんぴらや煮物は再加熱しても風味変わらずおいしい。にんじんしりしり、たたきごぼうもOK。大根は、厚めに切った煮物だと再加熱したときにベシャッとしちゃうけど、上の写真のように1cm程度の厚さに切って焼いて入れてみたらおいしかった!(ちなみに厚切りの干し大根はもちろん冷凍した後再加熱しても風味変わらずおいしい)


・里芋・さつまいも・かぼちゃ煮

おいもは、じゃがいもが冷凍に向いていないのは有名だけど、それはかたまりのままの場合。シチューなどに入れたじゃがいもは、いっそつぶして形をなくして、とろみと一体化させてしまえばよし。ポテサラはつぶしかたによって再加熱したときに食感が悪くなることはあるから、わざわざ入れなくてもいいかなと思っている。(私はポテサラ、冷たくして食べるのが好きだし)

それ以外の芋はというと、里芋とさつまいもの煮物は全然大丈夫。かぼちゃの煮物は、品種による感じがする。ホクホク系は再加熱してもおいしいけど、しっとり系はベシャッとした食感。


・とろみは切れづらいのは片栗粉より小麦粉か米粉

片栗粉でとろみをつけるときは、かために。でも再加熱した時にお弁当の中の蒸気(水分)でとろみが切れてしまうことがある。下の写真のハッシュドビーフやカレー、クリーム煮、先述のグラタンなど、小麦粉または米粉でとろみをつけたものは再加熱してもとろみの加減が変わりにくいので、片栗粉よりも小麦粉や米粉のほうがおすすめ。



・冷凍野菜と缶詰はそのまま入れてOK


野菜も添えたいけどあれこれ面倒だなー、と思ったら、冷凍野菜をそのまま入れるのもあり。レンジで再加熱したとき水気が出すぎるものがあるので、吸水性のあるおかずカップに入れておくと安心。

缶詰も、もちろんそのまま入れられる。そもそも密封した容器に食品を入れて高温高圧で殺菌するレトルト殺菌という方法で作られている加熱済み食品。未開封なら長期保存できるが、一度開けちゃうと日持ちしないので、缶詰を開けたけど食べ切れないときは、水気をしっかり切って冷凍弁当のおかずにしてしまうっていうのもいい。コーンやツナ、焼き鳥、イワシ蒲焼など、お弁当向きの缶詰はたくさんある。


・生ものは入れない、卵焼きはイマイチ


生ものは入れない。基本的に全部加熱してあるものだけ入れることにしている。生ものは、加熱したものよりも食品の水分が多いので、再加熱したときにベシャッとした食感になっておいしくないし、わざわざ傷みのリスクを上げなくてもいい。

卵焼きもイマイチだった。冷凍した後に再加熱するとスカスカになる。炒り卵もそんなにおいしくなかった。卵焼きを焼くのは私にとってそんなに手間じゃないので、わざわざ冷凍弁当に入れなくてもいいかなと今のところ思っている。

・食べる時は600Wで5分30秒、食べ切る目安は1ヶ月

私が使っている保存容器を使った時、600Wの電子レンジで5分30秒加熱すると、ちょうど全体がよく温まる。電子レンジは商品によって結構違うので、そこは調整してください。
ずっと冷凍しておくと乾燥しちゃうし、やっぱりおいしくなくなる。フタをしっかりしているとはいえなんとなく冷凍庫の匂いがつくような気もするので、1ヶ月以内に食べ切ることにしています。

・好きなものだけ入れて、凝りすぎない

そして大事なのは、自分の好きなものだけ入れること。家で自分で食べるんだから、そんなに彩とか気にしなくていい。外で買ってくるとたまに、そんなに好きじゃないものや、嫌いでもないけど食べなくていいものが入っていたりする。冷凍弁当を食べるのは、大抵疲れているときだから、ほんと好きなものだけ食べたいのだ。

冷凍弁当は、持ち運ぶわけでも、常温に置いておく時間が長いわけでもなく、誰かに見られるわけでもない。いつものお弁当よりも気楽だからいい。冷凍してから再加熱しても味や食感に大きな変化がないものをいくつか入れればそれで十分。凝りすぎて手間をかけすぎると、本来の目的から遠ざかってしまう。

クタクタなとき、余裕がないときに「どこにも寄り道せずに、のびのびと、できるだけ楽をして早くご飯を食べられる」、これが家の冷凍弁当の良さです。

グラタンの冷凍弁当を詰めている動画はこちらから

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