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【テレビ】2017/5/23O.ATBSマツコの知らない世界「パン弁当の世界」の中身

5/23O.AのTBSテレビ『マツコの知らない世界』でパン弁当の世界をご紹介しました。

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ご覧くださった皆様、本当にありがとうございます。
限られた時間の中でお伝えすることなので、至らないところや言葉足らずな部分が多々あったかと思いますが、どうぞお許しください。

今回は、

ごはん+おかず数種類だけが弁当じゃない。
ご飯がなければパンがあるじゃない!
パンになんかはさんでもってきゃ、お弁当になる!

と、私はふだんから「とても大雑把に日々の弁当を捉えて作り続けている」ことをお伝えできたらと思いながら収録させていただきました。
なんだ、料理研究家とか言ってる人でも、毎日きらびやかなお弁当作ってるわけじゃないのね、お弁当続けるのって意外と気楽じゃない、と思っていただけたら、うれしいです。少なくとも私に関しては、まさにおっしゃる通りです!

パンに何かを挟む時のポイントは

  • 断面にからしバターなんかを塗る(水分が滲みにくい効果がある)
  • はさむ具の水分をできるだけ減らす
  • 固いパンには柔らかめの具を、柔らかいパンには硬めの具をはさむと食べやすい

あたりでしょうか。

それでは、番組内でスタジオにお持ちしたお弁当箱とその中身を、順不同でいくつかご紹介します。


・焼きサバサンド+Compleat Foodskin

Compleat Foodskinは、ノルウェー発のサンドイッチ専用ランチボックス、といってよさそうです。シリコン素材で、BPAフリー。丸洗いができて、食洗機も電子レンジも使えます。ぎゅっとパンをはさむので、はさんでおく時間は不要、持ち歩いている間にしっかりサンドイッチになるというわけです。

中身は、バゲットに、軽く塩をして焼いた鯖にレモンをふって、レタスや新玉ねぎやミニトマトのスライスをはさんだものです。断面には、からしバターでなく、ゆずこしょうとバターを混ぜたものを塗り込んでいます。

はさんでいる具がトマトでなはなくミニトマトなのは、トマトの方が水分が多いから。はさみたてはジューシーでおいしいのですが、時間が経過したトマトはとても不味くなるので、ミニトマトにしています。

この付け合わせは、春野菜の具沢山オムレツにしました。季節それぞれの旬野菜を適当に刻んで卵でとじてしまえば良いだけです。参考まで、簡単なレシピを以下に。

【春野菜のスパニッシュオムレツ】
 *材料4人分(8切れ分)
 卵(4個)、オリーブ油(大さじ1.5)、新玉ねぎ(1/4個)、
アスパラガス(1/2本)、ブロッコリー(1/4個)、
スナップインゲン(4本)、塩(小さじ1/2)

*作り方
 1.野菜をさいの目切りにして、オリーブ油(大さじ1)をフライパンに熱し、
野菜を炒めたら軽く塩(1つまみ)で下味をつける。
 2.卵をボウルに割り入れ、塩(小さじ1/3程度)を加えて溶く。残りのオリーブ油
をフライパンに回しかけた後、野菜を覆うようにフライパンに卵を流し入れる。
 3.蓋をして3分火を通し、卵に8〜9割方火が通ったらひっくり返す。
 4.中まで完全に火が通ったら完成

・ハムとチーズのフレンチトースト+薄型弁当箱フードマン

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お弁当箱は、CBジャパンの超スリム型弁当箱。A4サイズの書類と同じ幅で、厚さもわずか3.5cm。フタが4点ロックで密封性が高く、弁当箱を立ててカバンにしまえるのが画期的。これで800mlの大容量。女性向けに、この半分のサイズもあります。

これは、クロックムッシュの変形、というか、しょっぱいフレンチトーストみたいなものです。お弁当はつくりたてを食べるわけではなく冷めた状態で食べるので、お弁当にするなら、はさむスライスチーズは、溶けるチーズよりも、溶けないチーズの方がおいしいです。

薄切りの雑穀パンに、ハムとチーズ、焼いた野菜をはさみ、卵を牛乳を混ぜ合わせた卵液にしみこませて、オリーブ油を熱したフライパンで両面を焼くだけという簡単さです。

付け合わせは、ポテトサラダと紫キャベツと新玉ねぎとうずらの甘酢漬け。ポテトサラダは、新ジャガイモと新玉ねぎ、にんじん、きゅうりが入っていて、マヨネーズとマスタードで和えています。マスタードを加えると、少し酸味が増して塩分控えめでも美味しく食べられます。

紫キャベツは、よく色素がでるので、カリフラワーやうずら卵など、白色の食材と漬けるときれいな赤紫色になります。甘酢をご飯に混ぜれば、綺麗な色の酢飯に。卵の酢漬けは私の大好物で、酢醤油などにも漬けます。簡単なレシピを以下に。

【紫キャベツ新玉ねぎとうずら卵の甘酢漬け】
 *材料4人分
 紫キャベツ(1/4個)、新玉ねぎ(1/2個)、うずら卵水煮(10個)、
甘酢液(砂糖大さじ1.5、酢 大さじ3、塩小さじ1/2、水50ml)

*作り方
 1.紫キャベツと新玉ねぎを千切りにする。
 2.甘酢の材料を全て耐熱容器または鍋に入れ、沸騰するまで温める。
 3.とうずらの卵を煮沸消毒して乾燥させた容器に入れ、
そこに熱々の甘酢液を流し入れてフタをする。
 4.熱が取れたら冷蔵庫へ。1晩寝かせて味がしみこんだら完成。

タルタルフィッシュフライサンド+ANCIENTコンテナランチ03

お弁当箱の写真を撮り損ねてしまいました、すみません。[ANCIENTコンテナランチ03]は、SHOWA社の商品で、とにかく大容量。900mlです。4点ロックのフタはドーム型なので、お弁当を詰めてもフタでつぶされにくいです。手頃な値段でカラーバリエーション豊富。今回使用したミリタリーの他、赤、白、ネイビーがあります。

コッペパンの断面にからしバターを塗って、そこに千切り野菜とアジフライ、タルタルソースをはさむだけ。アジフライの他に、いわしフライでも、白身魚のフライでも、エビフライでも、ささみフライでも。前日の夕食の残りがなければ、スーパーなどのお惣菜コーナーで買ってきておけば、3分もあればできちゃいます。要は、アジフライ定食のおかずをパンにはさんだだけです。

タルタルソースは、ゆで卵1個ときゅうりピクルス1個をみじん切りにして、マヨネーズ大さじ2を混ぜただけ。

付け合わせは、アジフライ定食に合うような和風のものにしました。きゅうりの浅漬けは、みょうがと新生姜の千切りを混ぜています。白和えには、新ごぼうと春掘り人参とほうれん草、そしてひじき。春の食材を混ぜ込みました。簡単なレシピを以下に。

【春野菜の白和え】
 分量:4人分
 ひじき(戻したもの、20g)、ごぼう(1/4本)、にんじん(1/4本)、
ほうれんそう(ゆでたもの、1/4束)、
具用の下味用調味料(水50ml、みりん大さじ1、醤油小さじ1.5)
 木綿豆腐(1/2丁)、
白和え用調味料(・練りゴマ大さじ1、味噌と醤油と砂糖各小さじ1)

作り方
 1.豆腐はキッチンペーパーで包み、600Wのレンジで2分加熱。
熱いうちに重石を乗せて水気を切る。ほうれん草はゆでて冷水で冷まし、
しっかり水気をしぼり3〜4cmの長さに切る。
 2.ひじきは水で戻し、ごぼうとにんじんは千切り。ごぼうはアク抜き。
鍋にごぼう、にんじん、ひじき、下味用調味料を入れて5分煮たら火を止め、
そのまま常温になるまで冷ます。
 3.水切りした豆腐と白和え用調味料をフードプロセッサーでなめらかに
なるまで混ぜる
 4.あらかじめ切っておいた、ゆでほうれん草、下ゆでした具材
(余分な汁気はよく切ること)を3に加えてスパチュラなどを使って和える。

・エスニック風ポケットサンド+ieben(イエベン)

お恥ずかしながら、使用した弁当箱は「ieben(イエベン)」という美濃焼の弁当箱。弊社と工芸デザイナー島村卓美さんと、芳泉窯の3社の協業によるもので、持ち運ばない弁当箱というコンセプトです。(通販ページ>http://store.shopping.yahoo.co.jp/housengama-store/iebena5b7a.html

ポケットサンドは、家にごはんも薄切りパンもなく、厚切りのパンしかなかった朝に、急にお弁当を作らなくちゃいけなくなった時にひねり出したものです。
厚切りパンを均等に薄切りにするのは結構腕がいる。中東などで食べるピタパンみたいにポケット状にすれば、薄切りにしなくていいし、楽じゃん!というその場しのぎのアイディアでした。

中身は、数年前に出かけたベトナムで食べたバインミーと、先日出かけた台湾の屋台料理がヒントになりました。ピーナッツバターとパクチー、そしてなますって、実はとても味の相性が良いのです。

付け合わせは、春野菜のガーリックオイル和えと、厚揚げのカレー炒め。春野菜は、アスパラやそら豆、スナップインゲンを塩茹でし、オリーブ油とにんにくを温めたものと和えました。厚揚げのカレー炒めは、肉がない時の我が家の定番の1つ。簡単なレシピを以下に。

【厚揚げとパプリカのカレー炒め】
 *材料4人分(※4人分とは、お弁当4つ分のこと。普通の主菜としては2人分)
 ・厚揚げ(1枚)、赤パプリカ(1/2個)、黄色パプリカ(1/2個)、
生姜(1かけ、5g程度)、カレー粉(大さじ2)、酒(大さじ1)、
しょうゆ(大さじ1)、オリーブ油(大さじ1)

*作り方
 1.厚揚げを二等辺三角形に切っていく。
 2.生姜は皮のまま千切り。
 3.パプリカは一口サイズに乱切りする。
 4.フライパンにオリーブ油と生姜を入れて火にかけ、生姜の香りが立ってきたら、
1を断面が下になるようにして焼きながら、パプリカも加えて炒めていく。
 5.厚揚げとパプリカに焼き色がついたら、酒、しょうゆ、カレー粉の順に加え、
汁けがなくなるまで炒めたら完成。

・豆腐ハンバーガー+BeeEcoWrap

エコラップは、私にとって結構目からウロコでした。これまでどんなサンドイッチにも対応できるお弁当箱はないものか、と思って探し続けていたのですが、包むならどんな形にもなる。使いたては、ミツロウのべたつきが強く、ホホバオイルのちょっとした匂いがあります。5回ぐらい使って水洗いするとなじんできます。エコフレンドリー、そしてサステイナブルという今後世界の食の流行には欠かせないビジョンが根底にあるところも、とても素敵です。

豆腐ハンバーガーは、豆腐と鶏ひき肉を1:1に混ぜ合わせています。基本フードプロセッサーで混ぜるのですが、たけのこだけはあとから混ぜて食感を残します。豆腐ハンバーグはお肉だけに比べて食感が柔らかいので、たけのこのようなちょっとコリコリする食感も混ざっていた方が食べ応えを感じられます。豆腐ハンバーグの簡単なレシピは以下。

【豆腐ハンバーガー】

*材料4人分(4個分)
 <豆腐ハンバーグ>・鶏ひき肉(150g)、竹の子水煮(1/2個)、
玉ねぎ(1/4個)、木綿豆腐(1/2丁、約150g)、しょうゆ(小さじ1)、
みりん(小さじ1)、ゴマ油(小さじ1)、片栗粉(大さじ1)、
大葉(1枚)、ひじき(20g、戻したもの)、
 <その他>バンズ(1個)、千切り野菜(キャベツ、にんじん、紫キャベツ)、
木の芽(省略可)からしバター(バター10gにからし小さじ1を混ぜたもの)、
ごま油(大さじ1/2)、醤油(大さじ1)、みりん(大さじ1)

*作り方
 1.豆腐はキッチンペーパーで包み、600Wのレンジで2分加熱。
熱いうちに重石を乗せて水気を切る。
 2.竹の子は穂先と根元に分ける。穂先の部分は薄切りにする。
根元は荒みじん切り。玉ねぎはざく切り。
 4.フードプロセッサーにひき肉、豆腐、玉ねぎを入れて混ぜ合わせる。
なめらかになったら、ひじきと筍の根元の部分、調味料を加えて
スパチュラなどで全体を混ぜる。ハンバーグの種が完成。
 5.手にごま油をつけ、ハンバーグの形を作る。
フライパンにごま油を熱し、ハンバーグと筍の穂先を焼いていく。
 6.ハンバーグに完全に火が通ったら、みりん、しょうゆで味つけ。
 7.バンズの半分に切れ込みをいれ、バターを塗る。
 8.大葉と千切りキャベツ、ハンバーグを挟んだら完成。

と、ざっくり内容をまとめてみました。
今回も、マツコさんは本当に、美味しいと言って召し上がってくださって、とても温かい方でした。個人的には、家にお一人でいらっしゃる時、麻婆豆腐の日、というのがあるというお話がとても面白かったですが、O.Aには乗らず。

一応、目安としてレシピなども記載しましたが、お弁当はその日の朝の冷蔵庫にあるもので作る、出たとこ勝負のもの。あくまで目安ということで、味のお好みや冷蔵庫の状況に合わせて、毎日のお弁当のメニューを考えるヒントやアレンジの参考にしていただけたら、本当にうれしいです!

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