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マツコの知らない春のお弁当の世界の中身(2016/4/19O.A.)

昨日のマツコの知らない世界のスペシャルで、春のお弁当箱とおかずの世界をご紹介させていただきました。至らぬ点ばかりで分かりづらいところもあったかと思います、お許しください。とても温かいコメントを下さった皆様に、本当に感謝でいっぱいです。

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私のお弁当は、派手さもない本当に普通のお弁当です。子どもたちの学校の準備や、自分の出勤でバタバタしながら、冷蔵庫にあるものをかき集めて毎朝20〜30分の間に作ります。冷凍食品を全く使わないですが、基本的に珍しい食材も調味料も使うわけでも、裏技もないです。

見る方によっては本当に物足りなかったり、当たり前すぎたりするかと思いますが、もし見てくださった方の中で、ちょっとでも億劫なのが和らいだり、興味を持って頂けたり、ヒントになるものをお伝えできたら、本当に嬉しいです。収録の合間に撮った写真や、レシピもその合間の走り書きなので大まかなので、あくまで参考程度ですが、昨日ご紹介したものを、ざっとまとめました。

海外でBENTOの認知度が上がっている、という話でちょっと映ったのは、ドイツのデュッセルドルフで見つけたおにぎり屋さんのもの。デュッセルドルフの一角はちょっとした日本人街のようでした。

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冒頭のオランダの保温弁当箱(オレンジ色。Alladin社のもの)には、芽キャベツやブロッコリーのコンソメ煮とナツメッグを効かせたミートボール、ヒュッツポット。ヒュッツポットは人参と玉ねぎが入ったマッシュポテトといった感じでオランダで食べて美味しかったので、お弁当にしてみました。(ちなみにその横のジョセフジョセフの白とグレーの2段弁当箱には、こっそりイギリスのパブランチ、プラウマンズランチ風のお弁当を詰めていました)

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マツコさんが手に取ったBlack+blum(http://www.sempre.jp/brand/black+blum/)のフタが木になっているサンドイッチケースは、後半に鶏飯を入れてご紹介した、汁モレしない2段のお弁当箱Lunch potと同じ会社のもので、日本でも販売されています。今回紹介するあたり、Blackさんご本人に取材させて頂きましたが、日本のお弁当への尊敬の念をお持ちで、ランチシーンをいかに豊かにするかという思いと、その誠実さにとても感動しました。今度イギリスに行ったら、ぜひスタジオに伺おうと思います。

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小森樹脂社のカップランチ(http://www.komorijushi.co.jp)のお弁当箱に詰めたのは、タケノコご飯、鶏ごぼう、ミツバ入りの卵焼き、杏の甘煮、かぶの梅和え、おぼろ昆布の味噌玉でした。(収録中バタバタしていて、写真を撮り忘れました)あんずの甘煮は、我が家のおせち料理の1つで、崎陽軒のシウマイ弁当の杏と同じような味。シウマイ弁当の杏いらない説がありますが、私は絶賛支持派です。

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蓋がカップやお椀になっているものは、ここ数年でとても増えていて様々なメーカーさんが出していらっしゃるので、いろんな色や柄が選べるはず。筒型タイプは、底面積が小さすぎると詰めにくいので、ある程度広いものがオススメです。

■鶏ごぼう(作りやすい量)
鶏もも肉 1枚
春ごぼう 1本
ごま油 小さじ2
みりん 大さじ1.5
醤油 大さじ1.5
水 50ml

1 鶏肉は食べやすい大きさに切る。ごぼうはたわしでこすり洗いして乱切りし、水にさらしてアク抜きする。
2 鍋にごま油を熱し、鶏肉を軽く炒める。表面の色が変わってきたら水気を切ったごぼうを加えて炒める。
3 みりん、醤油、水の順番に加え、沸騰したら中火にしてフタをして10分。途中まぜながら煮汁がなくなるまで煮たら火を止め、フタをしたまま10分以上置く。

という感じで作りました。生姜の千切りなどを一緒に混ぜて煮たりもします。

■味噌玉(おぼろ昆布)
味噌 小さじ2
おぼろ昆布 1つまみ程度
カツオ節 1つまみ程度
長ねぎ(白い部分) 5cm分 ※みじん切りにする

  • 全ての材料を混ぜ合わせ、ラップで包む。閉じ口を紐などで結ぶ(省略可)。熱湯200mlに溶いて飲む。

基本的に、湯1カップなら味噌小さじ2。そこに鰹節でも、いりこ粉でも、おぼろ昆布でも、ダシになるものと具になるものを混ぜるだけのことです。
これは、ずっと昔、子どもの頃に祖母が教えてくれました。忙しい時にもお味噌汁が飲みたいと思ったら、お味噌と鰹節とおネギ、あとはお麩でも茹でたお野菜でもいいけど入れてお湯を沸かして溶けば簡単でしょ、味噌がなかったら、とろろ昆布とネギにちょっとお醤油垂らしてもいいわよ、インスタントみたいよと。鷹揚な静岡弁で、今も思い出します。学生時代に1人分だけしか作らなくていい時や、朝にあれこれ作って自炊できない時にそうしていて、もともとは汁椀にそのままいれていたのですが、それを持っていくとしたらラップで包めばいいじゃん、と。数年前に味噌玉が話題になった時、この知恵は日本全国にあることを知り、先人の知恵には、本当に学ぶものが沢山あるなあ、と感動しました。

おにぎらずはテリタマとビビンパ。

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おにぎらずは包む前に海苔をおろし金に当てて穴を開けておくと、食べるときに噛みちぎりやすいです。サブヒロモリ社のおにぎらずポーチ(https://hands.net/goods/4958106918803/)は布だけに形が変形しやすくサンドイッチなども入れてみました。

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丸ごと水洗いが出来るそうですが、なかなか清潔にしておくのは難しいそう。実際に何度か使ってみて、そのまま入れずに、ラップやアルミホイルで包んだものを入れるのが良いと思いました。きっと今後も改良の余地ありです。

秋田県大館市の曲げわっぱ、柴田慶信商店のつくし弁当(http://magewappa.com/allproducts/shiraki)には、鶏の西京漬、たけのこのポーナッツバター和え、花豆の甘煮、空豆の含め煮、ミニトマト。ここに焼いた切り干し大根の卵焼きを入れる、という組み合わせでした。

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つくし、とはお嬢さんのお名前が由来だそうで、子どもの頃は一段、大きくなったら二段と長きにわたって使えるものを、と思って作られたそうです、柴田慶信商店さんは洗練されたデザインも多いので、ちょっとお高めです。でもわっぱ弁当箱は、大館に限らず日本各地で作られていて、素朴で安価なものも沢山あります。

■鶏肉の西京漬焼きの分量
鶏肉 1枚
塩 1つまみ

(味噌床)
西京味噌 100g
みりん 大さじ3

西京味噌100gをみりん大さじ3で溶いた量なら、豚厚切り肉2枚、魚の切り身なら3〜4枚漬けられます。漬ける前に食材に塩を軽く振って5分ほどおき、上がってきた水気を拭いてから漬けると、より臭みを抑え、漬かりも早いです。味噌漬けは基本的に焦げやすいので、焼く時は味噌を軽く拭き取って、弱火で焼くのが良いと思います。

切干の入った卵焼きはよく行く台湾料理屋の定番をアレンジしたもので、ごま油で焼くと風味がさらに良いです。そらまめの含め煮は、薄皮ごとみりんと醤油で煮ます。これを見たTBS のフードコーディネーターさんが(私よりも年上の男性です)、懐かしいなあ久しぶりに見ましたよ!とおっしゃり、聞くとその方は品川のご出身で、ご自身が子どもの頃にお祭りの日によく食べたお惣菜というか、おつまみだそう。私は忘れてしまいましたが、確かどこかの小料理屋でずっと前にいただいて美味しかったので、自分でも作るようになりました。

サラダコンテナーは、北欧雑貨の人気店のもの。先々月ヨーロッパを回った時に、その他メーカーのものも本当によくあちらこちらで見かけました。お弁当箱は、その土地の食習慣をストレートに反映していて面白い、そこがやっぱり魅力的だと思いました。

ジャー(ビン)を持ち歩くよりはずっと実用的。ドレッシングも別ケースに入れるので、ドレッシングを一緒に入った状態のものより水分が出にくいです。私は衛生学のプロではないのでなんですが、加熱していても中途半端に冷めないままおかずを入れるのは傷みを早くする要因と言われるので、清潔に洗って乾燥させたコンテナーに、作り置きでなく、あらかじめ冷たい野菜で朝に作りたてを詰めるのがいいような気がします。お弁当箱は使ってみてこそその価値が分かるもので、使わずに先入観で話はできません。また新しいスタイルとして興味深いので、その1つとしてご紹介しました。結構たくさん入るので、サラダとはいえ大満足の量が食べられます。(でも私は自称モデルではないので、我が家の普段のお弁当での登場回数は少ないです)

■ドレッシングの分量の目安は
新玉ねぎ 1/4個
りんご 1/2個
はちみつ 大さじ1/2
オリーブ油 1/2カップ
酢 1/2カップ
塩 小さじ1

1 玉ねぎとりんごは皮をむいて適当な大きさに切る。
2 全ての材料をボウルに入れて、ハンドミキサーでよくまぜる。
※新玉ねぎは皮が薄く、果肉がやわらかく、生食でも辛みが少ない

です。あとはお好みで、ニンニクやコショウなどを足すこともあります。

最初の方でも登場したBlack+blum社のLunch potは、インドのお弁当箱にヒントを得て作ったそうです。使ってみると、保温機能はないので、冷たい汁物がやはり美味しい。夏にちょっと食欲わかない時、冷やし茶漬けや雑炊みたいなものなら食べやすいなあ、と思って鶏飯風にしました。以前鹿児島の郷土料理のお店でいただいてとてもおいしくて、家でもよく食べます。お弁当箱が変わると、それに合わせて詰めるものも考えるので、思わぬところから、思わぬメニューがぴったりだったりして、やっぱりお弁当箱は面白いです。

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キャベツシュウマイも、スタジオで実際に作らせていただきました。普段入れるブロッコリーやいんげんなどの緑野菜がなくて、でも色味はなんとか欲しい!冷蔵庫にあるキャベツでなんとかしようかな、というのが始まり。

夕食に、シュウマイを作るつもりが皮を買い忘れて、じゃあ代わりロールキャベツと思えばいいわ、と茹でキャベツでシュウマイをしたりするのですが、朝はそれだと面倒なので、千切りにしたキャベツを軽く塩もみして水気を出してまぶせばいいか、と。出来立てはみずみずしいですが、キッチンペーパーの上において完全に冷まして水気を出し切ってから詰めます。収録中は撮り忘れましたが、普段のお弁当では、下の写真のようにお弁当に入っています。image

■キャベツシュウマイ
キャベツ 2〜3枚
塩 少々

(肉だね)
鶏ひき肉 200g
玉ねぎ 1/4個
酒 小さじ1
砂糖 小さじ1
醤油 小さじ2(放送時、私のミスで醤油が記載されていませんでした、すみません)
しょうがのみじん切り 少々
片栗粉 小さじ1強

1 玉ねぎをみじん切りにする。(肉だね)の材料を全てボウルに入れてこねる。
2 食べやすい大きさに丸めて、千切りにした塩もみキャベツをまぶす。
3 フライパンにクッキングシートを敷いてその上に2を乗せ、、フライパンとシートの間に水を注ぐ。蓋をして火にかけ、沸騰したら弱火で12分。途中水がなくなったら足す。(水がなくなってしまうと焦げ付くので注意!)

ざっと昨日ご紹介したものはこんな感じです。本当に、スタッフの皆さんの丁寧で熱意溢れる制作の姿勢と誠実さに触れ、ご一緒に仕事をさせていただけたことに心から感謝します。そして、放送されなかったマツコさんの様々なアドバイス、胸に秘めて心して仕事に励もうと思います。

ちなみに収録の時に、文房具の世界の菅さんにお目にかかりましたが、とても綺麗なお顔の、素敵な方でした。菅さんが紹介してくださる文房具、かなり面白かった。立てるペンケース、何を買おうか思案中。

そして、水森亜土ちゃんがご出演!もう大感激です。おはこんばんちは、とテレビを見ながら一緒に歌ったことは言うまでもなく。

1週間限定で、TBSのオンデマンドでも見られるそうです。

http://www.tbs.co.jp/muryou-douga/matsuko-sekai/061.html

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