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『マツコの知らないお弁当の世界』のお弁当の中身

本日、TBS『マツコの知らない世界』(5/12O.A.)の「お弁当の世界」に出演させていただきました。ご覧下さった皆様、本当にありがとうございました。マツコさんに直接お会いするのは初めてでしたが、ご自身がとても温かく、自然に話を引き出してくださる方で、そしてスタッフの皆さん本当に良い方ばかりで、とても楽しそうに話を聞いてくださいました。だからこそ面白い番組になるんだなあ、とちょっと感激。おかげで緊張することなく会話が弾み、収録時間があっという間に過ぎました。

20130718冷蔵庫にあるもので、食材と時間の無駄をできるだけ出さずに、お弁当箱という限られたスペースの中に収める。収めたものは、小さな我が家のふだんの食卓そのもの。まさにポータブルな食卓。お弁当づくりは私にとって、なんだかちょっとしたパズルゲームのようでもあり、それがとても楽しくて、中学生の頃から今まで足掛け30年、ごく普通のお弁当を今日もまた作り続けています。

番組内でマツコ・デラックスさんに直接ご紹介して食べていただいたお弁当は、6種類・計9個のお弁当箱。本当に食べ物を愛して、ちゃんと食べ物をおいしいと感じながら食べてくださる様子がとても印象的でした。本当は、もっともっとたくさんいろいろなお弁当箱をご紹介したかったのですが、今回は入手しやすいものを中心に6種類だけに。ご紹介したお弁当箱には全て、普段通りのおかずやご飯を詰めました。収録中はめまぐるしい忙しさでちゃんと写真を撮る暇がなかったのですが、1週間はアーカイブが流れるそうですので、ちらっと映る中身がなんだったかをちょっとご紹介します。

スタイリッシュランチボックスユニットBENTO(正和)

bento-stylish2通勤通学のカバンにも入れやすいスリムタイプのお弁当箱全盛期ですが、その中でもデザインが特徴的。収納箱に三段のお弁当箱が収まっています。日本には古くから「提げ重箱」というお弁当箱があります。手提げのついた収納箱に重箱や銘々皿、酒器などが収まっているのですが、この伝統的な形が現代に応用されている、といった感じ。

収納箱が慣れないうちは開けにくいですが、その分、汁モレの心配はなさそう。3段詰めるとかなりしっかり量があります。男性もOK。ただし、ケースが細い分、特にごはんを箸でとる時は、ちょっと食べづらい。複数色展開ですが、そのうちの黒色は京都のお弁当専門店「Bento&Co」とコラボしたオリジナル商品だそうです。

<3段展開>
1段目:鶏そぼろと絹さやの二色丼+紅ショウガ
2段目:人参と鶏ささみのサラダ、蟹入り卵焼き、なすとピーマンの甘味噌炒め
3段目:ぶどうとブルーベリー
<市販サンドイッチと1段編>
1段目:にんじんといんげんの肉巻き、かぼちゃとコーンのサラダ、パプリカのマリネ
<市販おにぎりと1段編>
1段目:鶏の竜田揚げ大葉巻き、蟹入り卵焼き、五目豆
 関連レシピ:鶏そぼろカニ入り厚焼き玉子焼きナスの田舎煮チキンタツタサンド昆布豆

真空断熱フードコンテナー(サーモス)

foodjar「お弁当は常温」の常識を覆したスープジャー。熱々や冷え冷えという、出来立て感が味わえるのはとても大きな魅力です。わずか数年でお弁当箱の新定番の位置を確立しつつあるスープジャーの本当の魅力は「スープジャーはどこがいいのか」のコラムにもまとめています。

 <保温編>…ガンボ風スープ <保冷編>…フルーツ白玉 をそれぞれ入れました。

■角型ランチボックス(工房アイザワ

bento-aizawa番組内でご紹介したのは、留め具つきの2段タイプでした。
我が家で愛用しているのは、1段の留め具がついていないものです。子ども園に通っている息子の普段のお弁当がこれ。とにかく丈夫で、洗いやすい。工房アイザワのものは、この他に計量カップと計量スプーンを長年愛用しています。どれも耐久性に優れて、美しい特徴を備えています。

<2段展開>
1段目:鰤の竜田揚げしょうが風味、サツマイモの甘露煮、ひじきの五目煮、野菜の揚げ浸し
2段目:炒り卵と海苔のご飯、絹さや添え
■キャリーランチボウル(サブヒロモリ
1034汁気の多いタレなどを収められる蓋付きケースや、レンジ加熱した後の持ちやすさを考慮した外容器、保冷剤が仕込める中ブタなど、使う人の使いやすさを考えた小さな工夫がいくつもあります。ただし、ボウル型なので、かさばります。フタの取っ手は、持つ時やカバンから取り出すときは便利。ただし、カバンなどに入れることを考えたときにはちょっとジャマかも。
見た目はかわいらしいですが実際に詰めてみると結構な容量なので、男性でも満足できそう。パスタや麺類のソースの後がけができるし、ごはんにしみきっちゃった丼がイヤ〜、という方にもおすすめです。
<オレンジ色>
和風ロコモコ…豆腐ハンバーグ、かぼちゃサラダ、アボカドレモン、ミニトマトとパプリカのマリネ、コーンご飯
<グリーン色>
冷製パスタ…紫キャベツとコーンのサラダ、ごぼうと隠元のサラダ、ミニトマトとレモンのパスタソース、パスタ
pillow オーバル(YOnoBI)
bento-ovalpillow天然杉を使った、わっぱ弁当箱の新スタイル。デザインは橋本夕紀夫さんで、制作は大館曲げわっぱの製造販売を行っている柴田慶信商店の柴田昌正さんというタッグ。オーバルとサークルの2種類がありますが、特にオーバルは名前の「pillow」そのもの、お昼寝枕にもってこいではないでしょうか。なんとも洒落っ気と遊び心のあるお弁当箱です。デザインに目がいきますが、杉というお弁当に適して長く愛用できる材質は実用という部分でも優秀。両サイドが高いので、お弁当を風呂敷などで包む時はちょっとすき間ができちゃうのですが、そこはご愛嬌ということで。

このお弁当に詰めた塩ゆでソラマメ、ゆでるときには味が入りやすく皮がむきやすいように包丁で小さく薄皮に切り込みを入れるのですが、マツコさんがそれに気づいて「これが粋!」と言ってくれたこと、そして我が家の定番常備菜のにんじんの味噌きんぴら(これは本当に地味なんですがおいしいんです!)を「これほんとおいしいわあ」と、本当にとてもおいしそうに食べてくれたことが、私はなんともうれしかったのです。

<一段展開>
メカジキの西京漬焼き、たまごやき、人参の味噌きんぴら、塩ゆでソラマメ、ごはん、ごま塩
関連レシピ:人参の味噌きんぴら

HOTデシュラン2(林聡堂)
こちら、写真を撮るタイミングを逸してしまいありません、すみません。ちょっと規格外なのですが、加熱調理できる、しかも、バージョン2で最初よりも改良されているということで、ご紹介してみました。お米は確かにちゃんと炊けます。結構おいしい。ちなみに炊いたお米は「ななつぼし」です。
携帯という点をはじめ正直なところお弁当箱としての実用性はとても低く感じますが、出来立てを外で食べたい、というこだわりが具現化されているのも確か。お弁当メーカーではないからこその発想かもしれません。でも、こういうところから未来の新機能が生まれてくるかもしれない。

実際、ソーラーパネルを搭載し、自家発電して保温または保冷ができるお弁当箱をデザインしている海外のデザイナーの方もいるし(スタイリッシュなソーラー発電弁当箱 The Sunflower Lunchbox)、IoTの波も確実に来ている(お弁当箱が担う、コミュニケーションのかたち)。新しい可能性への大きなジャンプとなるかもしれませんね。

<3段展開>
1段目:ごはん(炊く)
2段目:豚生姜焼き
3段目:にんじんのパルメザンチーズソテー、インゲンとコーンのバター蒸し

というわけで、お弁当の中身をご紹介してみました。実際の中身の写真がないので、わかりづらくてすみません。
今回私が番組でご紹介できたのは、ほんのわずか。他にも、使い勝手・耐久性・デザインなど、それぞれ違う特徴や良さを持ったお弁当箱がたくさんあります。使う人の目的やシーン、購入時の優先順位によって、選び方は大きく変わります。番組内では、私の言葉足らずや説明下手で存分に魅力をお伝えしきれなかったかと思いますが、これからも、お弁当箱はきっと進化するはず。特にログやコミュニケーションツールとしての可能性を大いに秘めていると思っています。わくわくしながら、これからもチェックし、皆さんのお役に立つ情報をお届けできたらと思います。
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