味の素のニュースリリース
「カプシエイト」の成分が欧州連合(EU)で「Novel Food(新規食品)」の認可取得
~抗肥満素材として欧州でも市場開拓を目指す~
http://www.ajinomoto.co.jp/press/2012_11_29.html
カプシエイトとは、
辛くないトウガラシ「CH-19甘(アマ)」から抽出したカプシエイト類
のこと。カプシエイトは、昨日今日のものではなく、これまでも何度か話題にはなった。けれど認知度伸び悩み。
味の素の発表によれば、辛み成分で知られるカプサイシンの1000分の1程度しか辛みがなく、組織(細胞)内で脂肪を分解して熱を産生する「褐色脂肪組織」を活性化する可能性があると注目されている、とのこと。辛いものを食べて脂肪を燃やさなくちゃ!と思って、ひーひーと辛さを我慢しなくてもよい、ということになる。
CH-19甘、とは新種の唐辛子。
農林水産省の野菜品種のデータベースによれば、昭和54年(1979)にタイから品種名不詳の在来種として種子を導入、昭和56年(1981)には京都大学農学部の農場で栽培研究が本格化。平成4年には安定した栽培ができるように。
このCH-19甘を品種登録したのは味の素ではない。2002年に森永製菓がしている。
森永製菓は、2004年にCH-19甘を乳酸菌発酵させた健康食品「植物性乳酸菌発酵辛くないとうがらし」を同社の通信販売サイトで販売していた。
が、その前に保有していた商品化の権利全般(特許・商標・育成者権等)を、味の素に譲渡。ただし乳酸菌発酵物は商品発売の権利を残していたようで、上記商品を販売した。通販のみの販売で、約5,000円/15日という価格もあり、大ヒット商品にはならず。
2006年には味の素が健康基盤食品として「カプシエイト ナチュラ」を販売開始。現在も販売中。
どうも、野菜としては販売されていないらしい。なんと残念。
万願寺唐辛子や獅子唐のように、独特の香りがあって辛くないならば、ぜひとも野菜としてそのまま食べてみたいところ。
シーエイチジュウキュウアマ(CH-19甘)が、ハバネロと肩を並べるまで唐辛子品種としての知名度を得るのか。
カプシエイトが、今度こそカプサイシンと肩を並べるまで「(その本当の効果はおいといて)脂肪燃焼効果がある成分」という知名度を得るのか。
ちなみに「Novel food」とは、
欧州連合(EU)によって1997年に制定された制度で、食品添加物を除く新規の食品および食品成分(新規の製造方法も含む)に対し、その安全性を評価・承認する制度。日本では、林原のトレハロース、サントリーのアラキドン酸も認定されている。